50代からのスキルアップ

英語以外の言語にも取り組んでみる

前回は「50代が英語学習にどう向き合うか」について述べましたが、本記事では、英語以外の言語学習の魅力と、それが人生にどのように役立つかについて探求していきます。英語の次に学ぶ言語として、どのような選択肢があるのか、また、その学習方法についてもご紹介します。

英語以外の言語を習得するメリット

英語以外の言語を学ぶことは、新たな文化や価値観に触れる素晴らしい機会です。特に、50代になってから新しい言語を学ぶことは、脳の活性化にもつながり、記憶力や集中力の向上に寄与すると言われています。また、国際的な視野を広げ、多様な人々との交流を深めることができます。「英語が苦手なのに他の言語なんてできるの?」という方もいらっしゃいますが、英語以外の言語の方が自分に合っていて学びやすかったというケースもあります。諦めずにトライしてみましょう!

学習をお勧めする言語

学習をお勧めするのは、日本語に近い言語と、大学時代に挫折した第2外国語です。

日本語に近い言語

特にお勧めしたいのは韓国語と中国語です。これらの言語は、以下の理由から日本人にとって学習しやすいと言えます。

韓国語
韓国語は、文法構造が日本語と類似しています。両言語ともに「主語-目的語-動詞」の文型を取ります。また、敬語の使用法も日本語に似ており、日本人学習者にとって馴染みやすい点があります。さらに、韓国ドラマやK-POPなどの文化コンテンツを通じて、楽しみながら学習することができます。例えば、人気のドラマの台詞を覚えることから始めるのも良いでしょう。

中国語
中国語は、漢字が使われているため、日本人にとって親しみやすい面があります。特に、日本語の漢字と同じ意味を持つ単語が多数存在し、語彙の習得が比較的容易です。ただし、発音には四つの声調があるため、初学者には少し難しく感じるかもしれません。しかし、例えば「ありがとう」を中国語で「謝謝(xiexie)」と言うように、日常的なフレーズから学びを始めることで、徐々に慣れていくことができます。また、中国の歴史や文化に触れながら、言語の背景を学ぶのも面白いでしょう。

大学時代に挫折した第2外国語への再挑戦

大学時代にドイツ語やフランス語などの第2外国語を学んだ経験があるかもしれません。当時は挫折してしまったとしても、再度挑戦する価値は十分にあります。辞書や教科書などを保存していたら、再活用もできますね。

ドイツ語
ドイツ語は、ヨーロッパの中心に位置するドイツの言語で、EU内でも広く話されています。ドイツ語の学習は、特に工学や哲学、音楽などの分野に興味のある方にとって有益です。例えば、バッハやベートーヴェンの原語の楽譜を理解することができたり、カントやニーチェなどの哲学者の原著を読むことができます。また、ドイツ語圏の国々は日本とも経済的に深い関係があり、ビジネスの場面で役立つことも多いです。

フランス語
フランス語は、世界的にも美しいとされる言語で、文学、芸術、料理、ファッションなど、多岐にわたる分野でその魅力を発揮します。フランス語を学ぶことで、ヴィクトル・ユーゴーやマルセル・プルーストの名作を原文で読むことが可能になります。コミック好きの方なら、フランス語圏のマンガであるバンド・デシネを読めるようになったりも。また、フランス料理のレシピやファッション雑誌を原語で楽しむこともできます。フランス語は、ロマンス語派に属し、他のロマンス語を学ぶ際の基礎となることも特徴です。

第2外国語の学び方

第2外国語の学習方法は多様で、自分に合った方法を見つけることが大切です。ここでは、いくつかの効果的な学習方法を紹介します。最初から高額のものに申し込むのではなく、無料のものをいろいろ試してみることから始めましょう。

オンラインレッスン
インターネットを利用したオンラインレッスンは、場所を選ばずに学習できる利点があります。専門の講師とマンツーマンで学べるため、自分のペースで着実にスキルアップできます。

言語交換
言語交換パートナーを見つけることで、実際の会話の練習が可能になります。自分の学習している言語を母国語とする人と、お互いの言語を教え合うことで、自然な会話力を身につけることができます。

自習アプリの利用
DuolingoBabbelなどの言語学習アプリは、初心者から上級者まで幅広いレベルに対応しています。ゲーム感覚で楽しみながら学習できるため、毎日の習慣化にも役立ちます。

ChatGPTを利用した学習
ChatGPTは、自然言語処理技術を活用したAIで、言語学習のサポートにも利用できます。例えば、以下のような使い方が可能です。

ChatGPTの利用例

質問応答:学習している言語で質問し、その回答を通じて実践的な会話力を養う。
翻訳練習:日本語の文章を学習言語に翻訳し、その正確性をChatGPTにチェックしてもらう。
文化や背景の学習:学習言語の国の文化や歴史について尋ね、深い理解を得る。

海外旅行時の実践
海外旅行をする機会があれば、その言語を積極的に使ってみるのも良いでしょう。レストランでの注文や道案内の尋ね方など、実際の生活場面での会話は、学習の成果を試す絶好の機会です。

第2外国語学習上での注意点

第2外国語を学ぶ際には、年齢に伴う学習の特性を理解し、それに適した方法を取り入れることが重要です。特に50代の方々が注意すべき点と対策を以下に示します。

継続は力なり
言語学習において最も重要なのは、継続することです。毎日少しずつでも良いので、定期的に言語に触れる習慣を身につけることが重要です。例えば、毎日の通勤時間や就寝前の時間を利用して学習するなど、日常生活に組み込むことが効果的です。

暗記力に頼らない学習法
50代では、若いころと比べて暗記力が低下することがあります。そこで、単語や文法規則を単純に暗記するのではなく、実際の会話や文脈の中で使うことに重点を置くと良いでしょう。例えば、習った単語を使って自分の経験について話す、あるいは日記を書くなど、実用的なコンテキストの中で学ぶことが効果的です。

視覚と聴覚を活用する
視覚的な資料や聴覚を使った学習は、暗記力に頼らずに言語を身につけるのに役立ちます。例えば、映画やテレビ番組を見ることで、自然な言語の流れを理解することができます。また、音楽やオーディオブックを聴きながら、発音やイントネーションを覚えることも有効です。

リラックスして学ぶ
ストレスは学習効果を下げる要因となります。言語学習を楽しむことを心がけ、自分を追い詰めすぎないようにしましょう。例えば、友人との会話練習や、言語学習をテーマにした集まりに参加するなど、楽しい経験と結びつけることで、学習のモチベーションを保つことができます。

テクノロジーを活用する
デジタルツールやアプリを活用することで、学習の効率を上げることができます。例えば、言語学習アプリを利用して、自分のレベルに合わせた学習を行うことができます。また、オンラインの辞書や翻訳ツールを活用することで、新しい単語や表現をすぐに調べることができます。

もし途中で挫折してしまったら

第2外国語の学習は、長い道のりであり、途中で挫折してしまうこともあります。しかし、挫折は学習過程の一部であり、それを乗り越えることが重要です。以下に挫折から立ち直るための方法をいくつか示します。

学習方法の見直し
学習方法が自分に合っていない場合、挫折することがあります。例えば、教科書や文法の勉強が苦手なら、映画や音楽、アプリを使った学習に切り替えてみるのも良いでしょう。また、オンラインレッスンや言語交換で実践的な会話を重視するのも有効です。

目標の再設定
過大な目標は途中での挫折を招くことがあります。現実的で達成可能な小さな目標を設定し、一つ一つクリアしていくことが大切です。例えば、短い会話ができるようになる、基本的な日常表現を覚える、といった具体的な目標を立てましょう。

学習のペースを調整
無理なスケジュールは挫折の原因になります。自分のライフスタイルに合わせて学習のペースを調整し、無理なく続けられる計画を立てることが大切です。例えば、週に数回の学習にする、毎日の学習時間を短くするなど、自分に合ったペースを見つけましょう。

その言語が話されている国への旅行
実際にその言語を話している国に旅行することは、非常に効果的なモチベーションアップの手段です。現地で言語を使うことで、学習の成果を実感することができます。また、その国の文化や歴史を直接体験することで、言語への関心や学習への意欲が高まります。例えば、フランス語を学んでいるなら、フランスの歴史的な街を訪れたり、地元の人と交流を持つことで、学習への新たな視点が得られるでしょう。

まとめ

英語以外の言語を学ぶことは、新たな世界を発見する旅となります。50代であっても、言語学習は脳に刺激を与え、新しい可能性を開きます。ぜひ、この機会に第2外国語の学習にチャレンジしてみてくださいね。

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