カモにならない50代

陰謀論動画にはまる仕組み

近年、インターネット上では様々な情報が飛び交っていますが、その中には陰謀論を唱える動画も多く存在します。特に中高年の方々が、これらの動画に惹かれ、信じてしまうケースが増えているようです。本記事では、陰謀論動画にはまる仕組みについて解説し、そのような動画に惑わされないための方法をお伝えします

陰謀論動画とは

陰謀論動画とは、事実に基づかない情報を元に、特定の団体や個人が世界を裏で操っているという説を唱える動画のことです。例えば、「新型コロナウイルスはある国が開発した生物兵器である」や「大企業が癌の特効薬を隠している」といった内容が典型的です。特定の国や人種などを貶める内容が含まれることも多いです。これらの動画は、断片的な情報を繋ぎ合わせ、一見説得力のある論理を展開することで、視聴者を惹きつけます

YouTubeのおすすめ動画の仕組み

YouTubeでは、視聴者の興味関心に合わせて、おすすめ動画が表示されます。これは、視聴履歴や検索履歴、動画への反応(高評価、低評価、コメントなど)を元に、AIが自動的に選択しているのです。つまり、一度でも陰謀論動画を視聴すると、類似の動画がおすすめに表示され続け、次第にそのような情報ばかりを目にするようになってしまうのです。

中高年が陰謀論を信じやすい理由

中高年の方々が陰謀論動画を信じやすい理由の一つに、メディアリテラシーの問題があります。インターネットやSNSが普及する以前は、新聞やテレビなどの伝統的メディアが情報を厳選して提供していました。しかし、現在は誰でも情報を発信できる時代となり、真偽の判断が難しくなっています

また、加齢に伴う身体的・認知的変化も影響を与えている可能性があります。老眼の進行により、細かい文字を読むことが困難になり、長文や複雑な内容の読解が難しくなります。このため、書籍や新聞から得られる詳細な情報から遠ざかり、短いニュース記事やSNSの投稿など、簡潔な情報に頼るようになりがちです。

さらに、加齢に伴う認知機能の低下により、複雑な内容や繊細なニュアンスを理解することが難しくなることもあります。このような状況では、陰謀論動画のように、単純化された説明や感情に訴える表現が受け入れられやすくなるのです。

加えて、中高年の方々は、長年の経験から自分の信念を持っており、新しい情報を柔軟に受け入れることが難しい場合もあります。このため、自分の考えに合致する情報を選択的に受け入れ、反対の証拠には目を向けにくくなるのです。

SNSのエコーチェンバー効果

SNSでは、自分と似た意見を持つ人々とつながりやすく、異なる意見との接点が少なくなる傾向があります。これを「エコーチェンバー効果」と呼びます。陰謀論を信じる人々が集まるコミュニティでは、お互いの主張が増幅され、反対意見が排除されていきます。そのため、一度陰謀論を信じてしまうと、その考えから抜け出すことが難しくなるのです。

陰謀論動画にはまらないために

陰謀論動画にはまらないためには、情報を鵜呑みにせず、批判的に考える姿勢が重要です。信頼できる情報源から事実を確認し、複数の視点から物事を捉えるよう心がけましょう。また、自分と異なる意見にも耳を傾け、議論することで、視野を広げることができます。YouTubeのおすすめ動画に陰謀論が表示された場合は、「興味なし」のボタンを押すことで、類似動画の表示を減らすことができます

メディアリテラシーを高める

メディアリテラシーを高めることも、陰謀論動画に惑わされない方法の一つです。情報の信頼性を判断する方法や、情報の背景を理解することの重要性を学びましょう。例えば、発信者の専門性や動機を確認したり、根拠となるデータや証拠を求めたりすることが効果的です。メディアリテラシー教育は、学校だけでなく、生涯学習の一環として取り組むべき課題でもあります。

まとめ

陰謀論動画は、巧みな手法で人々を惹きつけますが、事実に基づかない情報で溢れています。特に中高年の方々は、メディアリテラシーの問題やSNSのエコーチェンバー効果により、陰謀論に惑わされやすい傾向があります。しかし、情報を批判的に捉え、信頼できる情報源から事実を確認することで、陰謀論動画にはまらないよう自衛することができます。メディアリテラシーを高め、多様な視点を持つことが、情報社会を生き抜くための鍵となるでしょう。

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