50代からの海外転職入門

海外転職における仕事探しのコツ:日本との違いとは

日本での転職経験があり、転職のプロセスを理解していたとしても、海外転職にはまた違った難しさがあります。そのため、日本と海外の転職市場の違いを知ることは、海外転職成功の鍵となります。

以下で日本と海外との間の転職の違いや効果的な海外転職のコツについて解説していきます。

違いをあらかじめ認識しておくことで、せっかくの転職チャンスを逃がしてしまうことがないようにしましょうね。

求人情報の収集方法の違い

日本と海外では、まず求人情報の収集方法が異なります。

日本

転職サイトや求人情報誌の利用が一般的。ハローワークや転職エージェントを利用する人も。

海外

米国では、転職にLinkedIn(リンクドイン、ビジネス特化SNS)やGlassdoor(グラスドア、口コミサイト)などを利用することが主流となっています。また、Indeed(インディード)など、世界中の求人情報を横断して探せる検索エンジンもあります。その他の国・地域では、現地の求人サイトの利用も効果的です。
  例:シンガポールではJobStreet、オーストラリアではSeek

現地の求人サイトでは、自国民の採用が大前提で、外国人を採用することを想定していないケースがあります。その場合、ビザサポートの有無について確認する必要があります。

海外転職を考えている日本人向けの転職サイトとしては、以下などがあります。

履歴書・職務経歴書のフォーマット

気になる求人を発見したら、応募時に履歴書・職務経歴書を送付することになりますが、そのフォーマットが日本と海外では大きく異なります

日本

日本語の履歴書(定型フォーマット)・職務経歴書がセットで必要

海外

英文CV(Curriculum Vitae、カリキュラム・ビタエ)あるいは英文レジュメが必要、送付時には英文カバーレターも添付する

転職を考えているのが、日本企業の現地法人だったり、採用担当者が日本人である場合、日本語の履歴書・職務経歴書の送付のみでOKな場合もありますが、多くの場合、求人の応募には、英文のCVあるいはレジュメが必要となります。CV・レジュメは、日本語の履歴書・職務経歴書をそのまま英語にしただけでは不十分なため、時間をかけて準備する必要があります。

英文CV・英文レジュメ、英文カバーレターについては別ページで詳しく解説しています。

面接のスタイル

面接での質問内容も日本と海外では大きく異なります

日本

一問一答形式が主流。自己PRや志望動機を重視。マナーや話し方なども選考の対象となる

海外

実務能力を試すスタイルが多く、実際の仕事中に発生する問題に対しての判断について問われることがある

海外企業の面接ではマナー面はあまり問われず、採用担当者もフランクでリラックスした雰囲気を醸し出している場合が多いですが、質問内容は思考力が問われるものが多く、回答に具体例がなかったり、ロジカルでなかったりした場合には減点されます。実績を裏づける数字やデータなどを用意するなど、説得力のある自己アピールができるような準備を整えておきましょう。

ビザ取得

転職を目指す国や地域の就労ビザ情報をしっかりと確認し、必要な書類を整えることが必要です。就労ビザの要件となる、学歴、社会人経験年数、年齢、給与額、同じ職種での経験などをあらかじめ確認しておきましょう。

自分が要件を満たしている場合でも、その国の方針が突然変わり、会社の外国人枠の制限が設けられたり(例:自国民X人に対し外国人の上限をY人までにするなど)、変更されたりすることもあります。そういった場合、採用プロセスが進行していても、採用が一時停止となったり、最悪の場合、ポジションがクローズされたりすることもあります。

ご参考までに、筆者の経験を紹介します。2008年のインド転職の際には、2008年9月内定→10月ビザ取得→11月渡航ととてもスムーズに進んだのですが、2020年の海外転職の際には遅延が発生しました。2020年10月末に内定が取れた後、2021年1月の渡航を目指して準備を進めていたのですが、政府の外国人雇用政策が突然変更されたために就労ビザ発行が遅れ、さらに新型コロナウイルスの感染拡大が重なり、政府の方針が二転三転したことで、最終的には2021年5月まで渡航が延びました。発行待ちの間に「もしかしたらポジションがなくなるのではないか」とヒヤヒヤしていたのが記憶に新しいです。

まとめ:海外転職の成功に向けて

海外転職の際は、文化や市場の違いを理解し、準備を怠らないことが大切です。情報収集から提出書類の準備、ビザの手続きまで、一つ一つのステップを丁寧に踏んでいくことで、海外キャリアを実現することができます。ぜひアクションを起こして、新しいチャレンジを始めてみてください!

-50代からの海外転職入門