50代からの海外転職入門

海外転職の情報収集

海外転職が気になりはじめたものの、悩んでしまうことはありませんか?

「そもそもどの国にすればいいんだろう?」
「どんな業界や企業が好条件?」
「文化や習慣はどんな感じ?」
「自分のスキルや経験は海外で求められるのだろうか?」
「周りにいろんなこと言う人いて、何が正しいのかわからない……」

このページでは、これらのお悩みや疑問を解消するための具体的な情報収集方法について、詳しくご紹介します。

悩んでいる状態から抜け出して、一歩前に踏み出せるようになりますよ!

目的や希望を明確にする

まずは、なぜ海外で働きたいのでしょうか? その動機をしっかりと確認しましょう。

語学力を活かしたい

好きな国で暮らしたい

国際的な環境でキャリアアップしたい

など。目的を明確にすることで、自分のニーズに合った情報収集が進められます。

とにかく今の会社を辞めたい

とにかく日本を出たい

「今の環境が嫌すぎるので飛び出したい」という気持ちは、確かに進路を思い切って変えるための原動力になります。でも、「どこでもいい」、「好条件な仕事でありさえすれば」など、あまりにも条件を決めなさすぎると、転職後に「こんなはずじゃなかった」、「想像していたのと違った」、「もう少し深く考えるべきだった」などと後悔することも。

最初から自分の希望を絞り込むのが難しい場合は、ざっくりレベル(例:「アジアのどこかの国で働く」、「マーケティングの知識が活かせる仕事に就く」など)から始め、徐々に絞り込むのもあり。自分のホンネに耳を傾けてくださいね。

信頼性の高い情報源を選ぶ

日本にいると、入ってくる海外情報が限られており、今の実態とはかけ離れた、「それ何年前の話?」みたいな、古いイメージのまま外国について紹介されていることがあります。

また、親日国と紹介されている国でもその国の国民が全員親日であるわけではありません。国対国では仲があまり良くない国でも、温かく迎えて入れてもらえる場合もあります。治安の状況や海外移住人気、日本人移住者の多さなども、流動することが多いため、人気国ランキングなどは参考程度にとどめておくのが良く、信頼性の高い情報源から情報を得るようにしましょう。

基本情報

各国の安全情報や日本人の居住状況について、正確な情報を得るのに最適なのは、

外務省の「海外安全ホームページ」です。一度は確認しておきましょう。

ちなみに渡航後は、こちらのサイトでオンライン在留届を提出することで、安全情報についてメールで通知してもらえます。災害やテロ、暴動など、万が一のことが起きた場合に安心です(筆者はムンバイテロの際にムンバイ郊外で働いており、在ムンバイ日本国総領事館の情報提供に助けられました)。

転職市場の動向

大手の転職エージェントサイト、例えば「ロバートウォルターズ(Robert Walters)」や「ヘイズ(Hays)」、「エンワールド」などで、国別・業界別の求人情報や転職市場の動向を知ることができます。おおまかな動向をつかむのに良いと思います。

これらの大手エージェントは、「大手外資系企業、多国籍企業への転職支援」をメイン業務としています。そのため、ホワイトカラーでない職種(例:料理人)や現地の中小企業などの求人情報が薄い傾向にあります。求人情報を探す場合には、別サイトでの検索も合わせて行いましょう。

アジア各国への転職を考えている場合は、同じく転職エージェントのJACリクルートメントが四半期に1度発表している、「アジア各国のホワイトカラー人材紹介市場動向」が参考になるかもしれません。
例:アジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向 2023年7月~9月

ビザ・求人情報のリサーチ

ビザ情報

海外で働く場合には就労ビザが必須となります。就労ビザというのは一般名詞で、国ごとにビザの名称や発行条件、有効期間などが異なります。現地の会社に転職する場合、会社がビザのサポートをしてくれる場合がほとんどだと考えられますが、自分でも大使館や移民局などの公式サイトでビザ情報を確認しておきましょう(行ってみたい国がある程度定まってからでかまいません)。

なお、どの国も基本的に自国の労働者を最優先しており、それを補完する形で外国からの労働者を受け入れているため、雇用状況や政策によってビザの発給条件が厳しくなったり緩くなったりします。数年前の体験談を参考にして自分は大丈夫だと思っていても、突然条件が厳しくなってビザが発給されない、といったことも実際起こりえます。

求人情報

現地の求人サイトやエージェントサイトで実際の求人情報を確認しましょう。
求人サイトはあまりに多くありすぎるので、別ページでご紹介します。

現地の生活情報を入手

在外日本人向け掲示板(例:海外に住む日本人の掲示板や海外で働く人が集まっているFacebookグループ、LINEグループなどをチェックします。また、「YouTube」や「Instagram」、「X(Twitter)」などのSNSで、現地での生活を紹介している動画や投稿を参考にすることもできます。
注意すべきなのは、SNSの情報はあくまで主観であること。間違った情報を紹介している動画や思い込みによる投稿が混ざっていることもありますし、グループに参加しても「このノリについていけない」と感じることもあるかもしれません。あくまで参考程度にとどめておいてください。たとえば、治安情報(スリや盗難情報、危ない通りなど)は参考にするが、ご飯のおいしい・おいしくないは好みなので話半分程度に聞く、などです。

以上、情報が多すぎてどれが正しいのか迷うこともあるかと思いますが、自分の目的に合わせて情報を選び取ることがポイントです。情報収集は継続的に行い、最新の動向をキャッチアップしながら、自分の目標に向かって前進してくださいね。

と書いておいて最後に告白するのですが、私が最初に働いた国はインドでした。
特にインド文化が好きというわけでもなく、ヒンディー語もわからず、インド英語は聞き取れず、観光旅行ですら足を踏み入れたことのない国でした。ただ仕事がおもしろそうというだけで飛び込みました。しかも当時自分はすでに40代になっていたのです。どう考えても無謀です。当時、自分が相談される側だったら、「やめときなよ」ときっと答えていたでしょう。
でも、現地で働いた会社のサポートが手厚かったこともあり、実際は危険な目に遭うことはほとんどなく(これは本当にラッキーでした)、思い切って飛び込んで本当に良かったです。仕事の幅も広がりましたし、英語力もアップしました。なので、今、情報収集しすぎてかえって迷っている方が目の前にいるならば、「思い切って飛び込んじゃったら?(もちろん、セーフティネットを用意した上で!)」と背中を押すと思います。準備は繊細に、実行は大胆に。応援しています。

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