50代からの海外転職上級

「住めば都」精神をどう培うか

海外転職で成功している人を見ると、海外に飛び出した理由は様々なのですが、共通して見られる傾向があります。それは、「住めば都」精神です。一般的に人気がない国であっても働きがいのある仕事を見つけて生き生き働いている方もいますし、最初は海外駐在が不本意だったとしても、マインドを切り替えて全力で働いている方もいます。一方、「こんなところで働くなんて」、「思っていたような環境じゃなかった」と腐ってしまう方もいます。本記事ではどうすれば「住めば都」と思えるようになるのかのヒントについてお伝えします。

「住めば都」精神とは?

「住めば都」精神とは、どんな環境にあってもその場所の良い面を見つけ、満足し、楽しむことができる心の持ち方を指します。この精神は、柔軟性、適応性、ポジティブな姿勢を含む複合的な心理状態です。海外で働く際には特に、文化の違いや生活習慣の違いなど、さまざまな困難に直面しますが、これらを乗り越えていく力になります。

どうすれば自分の環境をポジティブに捉えられるか

海外での生活や仕事において、環境の変化に対応し、ポジティブな姿勢を保つことは、挑戦と成長の大きな機会となります。以下に、自身の環境をポジティブに捉え、充実した海外生活を送るための具体的な方法を紹介します。

  1. 目的と目標を明確にする
    海外生活を始める前に、自分が何を成し遂げたいのか、どのような経験を積みたいのかを明確にしましょう。具体的な目的があると、困難に直面したときにも、それを乗り越える動機になります
  2. 新しい経験を楽しむ
    海外での生活は、未知の経験に満ちています。新しい文化、言語、人々との出会いを積極的に楽しむ姿勢が、環境をポジティブに捉える大きな鍵となります。恐れずに新しいことに挑戦し、その過程で学ぶことを大切にしましょう。
  3. コミュニケーションを重視する
    現地の言語を学ぶ努力をすることはもちろん、現地の人々と積極的に交流を図りましょう。異文化間のコミュニケーションは誤解を招くこともありますが、互いの文化を理解し合うことで、より深い人間関係を築くことができます。
  4. 自己反省とポジティブな自己暗示
    日々の終わりに、その日に起きた良いことを振り返り、感謝する習慣を持つと良いでしょう。また、困難に直面したときは、「これも成長の一歩」と自己暗示をかけ、ポジティブな視点から物事を捉えるよう努めましょう。
  5. ストレスを管理する
    海外での生活は予想外のストレスを伴うことがあります。ストレスを感じたときは、運動、趣味、瞑想など、自分に合った方法でリラックスする時間を設けることが大切です。また、必要であれば現地のサポートグループやカウンセリングを利用するのも一つの方法です。

「日本とは同じにいかない」と割り切る

海外での生活や仕事において、日本と同じ水準や環境を期待することは、しばしば失望やフラストレーションにつながります。文化、言語、働き方、生活習慣など、根本的な違いが存在するためです。この現実を受け入れ、「日本とは同じにいかない」と割り切ることは、海外で充実した生活を送るための第一歩と言えるでしょう。

文化の違いを楽しむ
異文化に触れることは、新しい発見や学びが多い非常に貴重な経験です。日本にはない価値観や習慣を知ることで、世界に対する理解が深まります。文化の違いを楽しむ心がけが、異国での生活を豊かにします

柔軟な働き方に適応する
日本特有の働き方や企業文化とは異なる環境に身を置くことで、仕事に対する新たな視点を得ることができます。海外では、ワークライフバランスを重視したり、成果主義が根付いている場所も多く、これらをポジティブな変化と捉え、自身のキャリアに生かすことが可能です。

コミュニケーションの取り方を学ぶ
異文化間でのコミュニケーションは、言語だけでなく、非言語的な要素も大きく影響します。日本とは異なるコミュニケーションスタイルを学ぶことは、国際的な感覚を養う上で非常に有益です。これらのスキルは、帰国後も多方面で活かすことができるでしょう。

環境の違いを受け入れる
住環境や公共サービスの質、治安の状況など、日本とは異なる点が多く存在します。これらの違いを前提として受け入れ、安全に配慮しつつ、新しい環境での生活を楽しむことが大切です。不便さを感じることもあるでしょうが、それを乗り越えたときの達成感や成長もまた、海外生活の魅力の一つです。

実例:ポジティブなAさんとネガティブなBさん

海外転職や生活において、同じ環境下でも人によって受け止め方は大きく異なります。ここでは、ポジティブな心持ちで海外生活を楽しむAさんと、ネガティブな姿勢で困難に直面するBさんの実例を通して、マインドセットの違いがどのように日々の生活に影響を与えるかを見ていきましょう。

ポジティブなAさん

Aさんは、海外転職初期の言語の壁や文化の違いに直面しましたが、これらを乗り越えるためのチャンスと捉え、積極的に現地のコミュニティに参加しました。例えば、言語交換学習の集まりに参加して現地の言語能力を向上させ、同時に多くの友人を作ることができました。また、週末には現地の文化や歴史を学ぶために観光スポットや博物館を訪れ、自分の視野を広げる努力をしました。Aさんは、新しい環境に適応することで、自己成長を実感し、海外生活を充実させることができました

ネガティブなBさん

Bさんは海外転職後、常に日本と現地の違いに注目し、不満を抱え続けました。「言語が通じない」「仕事の進め方が合わない」など、小さなことにもネガティブに反応し、現地の人々との距離を感じていました。また、自宅に閉じこもりがちで、現地の文化やコミュニティに触れる機会を自ら避けてしまいました。このため、孤独感を強く感じる日々を過ごし、海外生活の魅力を感じることができませんでした

この二つの実例から、海外での生活や転職において、ポジティブなマインドセットがいかに重要かがわかります。Aさんは困難を乗り越えるための努力を惜しまず、新しい環境に積極的に適応しようとしました。その結果、海外生活を楽しむことができ、自己成長にも繋がりました。一方でBさんは、ネガティブな感情にとらわれ、自分自身の可能性を制限してしまいました。

この違いは、それぞれの海外生活の質に大きな差をもたらしました。ポジティブな心持ちは、海外での新しい生活を豊かにし、困難に直面した際にも乗り越える力を与えてくれます。自分の環境をどのように捉え、どのように行動するかが、海外生活の成功を左右することを、AさんとBさんの実例は教えてくれます。

とは言え帰国した方が良いケースもある

場合によっては、安全や健康、精神的な理由から帰国した方が良いケースも存在します。ここでは、そうした状況について具体的に触れてみましょう。

給与未払いや労働条件の悪化
海外での仕事において、給与未払いや約束されていた労働条件が守られないなど、労働環境が著しく悪化した場合は、帰国を検討するべきです。特に給与の未払いは、生活基盤を揺るがす重大な問題です。このような状況では、地元の労働局や大使館などに相談することも重要です。

パスポートの取り上げや人権侵害
パスポートを取り上げられる、過度な労働を強いられるなど、人権侵害が伴うような場合は、ただちに帰国することを考えるべきです。この種の問題は、自身の安全と直結するため、速やかな対応が必要です。大使館や国際人権団体など、外部の支援を求めることも検討しましょう。

災害や政変による安全の懸念
自然災害や政治的な変動、紛争などにより、滞在国の安全が確保できなくなった場合も、帰国を考えるべき状況です。特に、政情不安や紛争のリスクが高まっている場合は、早めの判断が求められます。在留外国人向けの安全情報を提供する大使館のアナウンスには、常に注意を払うようにしましょう。

精神的な健康の悪化
海外生活が原因で精神的な健康を害する場合も、帰国を検討すべきです。孤独感や文化的な違いからくるストレスは、時に深刻な問題を引き起こすことがあります。自分一人で解決しようとせず、専門家や信頼できる人と相談しながら、最善の選択をすることが大切です。

まとめ

「住めば都」精神を培うことは、海外転職や長期滞在において非常に重要です。異文化を受け入れ、新しい環境に適応することで、海外生活を豊かなものにすることができます。しかし、自身の安全や健康を守るために、帰国を選択すべき状況もあります。環境をポジティブに捉えつつも、リスクには常に注意を払い、賢明な判断を心がけましょう

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