50代からのベンチャー企業転職

大手企業からベンチャー企業に転職する際の注意点

今回は大手企業に勤める50代の方々がベンチャー企業に転職する際に注意すべき点についてご紹介します。ベンチャー企業への転職はキャリアの大きな転換点となることが多いため、十分な準備や理解が必要です。

大手企業からベンチャー企業に転職する際に起きがちなこと

大手企業からベンチャー企業に転職する際、多くの人が直面するのは、組織の規模や文化の違いです。大手企業特有の慣習や階層制度がベンチャー企業には存在しないことを理解することが重要です。

大企業からベンチャー企業に転職した場合に直面するとまどいについて、具体例を見てみましょう。

大手企業からベンチャー企業B社に転職したAさんの一日

出社時

Aさんは、大企業時代のように正式な受付や専用のオフィスビルがないことに違和感を覚えます。新しく出社するB社はコワーキングスペースの一角にオフィスを構えており、他の企業の人々と一緒に働く状況に戸惑います。

朝のミーティング

元の大企業では形式的で計画的なミーティングが一般的でしたが、B社では非常にカジュアルで即興的なミーティングが行われます。Aさんは、議題のはっきりしないミーティングのスタイルに「急になんなんだ?」と不快感を感じてしまいます。

仕事の進め方

元の大企業では詳細な指示と手順が事前に定められてることが多かったのですが、B社では自主性や柔軟性が重視されます。Aさんは、明確な指示がないことに不安を感じ、仕事の進め方に違和感を覚えてしまいます。

ランチ

ベンチャー企業には、大企業のような社員食堂がなく、スタッフが近くのカフェや飲食店に行ったり、コンビニでお弁当を買ってきて昼食を取る様子に、「仲よさそうなのに昼はばらばらなんだ」「外で食べると意外と高くつくし、栄養も偏りそう」などと感じるかもしれません。

コミュニケーションの違い

B社ではオープンなコミュニケーションが奨励され、上司ともフランクに話す文化があります。Aさんはどうしてもそれに慣れることができず、「上司に対してそういう口のききかたをするなんて!」「事前にお伺いを立てるべきだろ!」と戸惑いや不快感を覚えます。

帰宅時

大企業では繁忙期以外は定時退社が一般的でしたが、B社では柔軟な勤務時間が設定されており、同僚が深夜まで残業したり、好きな歌手のライブがあるからと早めに帰宅する様子に「そんなんでいいのか?」と違和感を持つかもしれません。

思考の違い

大手企業では安定した経営と確立された運営方法が主流ですが、ベンチャー企業では革新的な発想と柔軟な対応が求められます。この思考の違いを理解し、自らも柔軟に対応することが成功の鍵となります。

ベンチャー企業で嫌われる5タイプ

大手企業出身者がベンチャー企業に入社した場合、大企業での働き方をそのまま貫いてしまうことで嫌われてしまうことがあります。以下は嫌われる典型的な5タイプです。注意しましょう。

  • 変化に抵抗するタイプ:既存の方法に固執し、新しいアイデアに抵抗する人
  • コミュニケーション不足のタイプ:ベンチャーではオープンなコミュニケーションが必須です。
  • 自己中心的なタイプ:チームワークを大切にし、全員の利益を考える姿勢が求められます。
  • リスクを避けるタイプ:ベンチャー企業はリスクを取ることも重要です。
  • 柔軟性のないタイプ:状況に応じて迅速に対応する柔軟性が必要です。

ベンチャー企業になじむにはどうしたら良いか

ベンチャー企業になじむためには、まずその文化や価値観を理解することが大切です。オープンマインドで新しいアイデアを受け入れ、積極的にチームに貢献しましょう

最初はぎこちなく、なじめていないと感じていても、変わっていこうとする姿勢を見せることが重要です。少し時間がかかるかもしれませんが、諦めずに努力を続けていきましょう。決して「どうせ大企業出身者には冷たくあしらわれるんだ」などとふてくされるようなことのないように。

もしベンチャー企業の文化にどうしてもなじめないと感じたら?

万が一、ベンチャー企業の文化にどうしてもなじめないと感じた場合は、ただひとりで抱え込んでいるだけではなく、以下を実行してみてください。

  • 自己分析:自分の価値観とベンチャー企業のカルチャーとの間にどのような違いがあるのかを明確にする。
  • 適応を試みる:新しい環境に柔軟に対応する試みを続けてみる。
  • コミュニケーション:違和感を感じる点について上司や同僚とオープンに話し合う。
  • プロの助言を得る:キャリアコンサルタントやコーチからのアドバイスを求める。
  • 他の選択肢の検討:適応が難しいと判断した場合は、他の職場やキャリアパスを探求する。

違う環境に飛び込んだ場合、合わないと感じることは自然なことであり、それに対処するためには自己理解とオープンなコミュニケーションが重要です。時の流れに任せて何もしないでいると状況は変わらず、悪化する場合もあるので、積極的に動いてみましょう。

そして忘れないでいてほしいのは、一定期間、自分から動いて最大限努力しても、どうしてもなじめなかった場合は、再度転職することもありだということです。以前も書きましたが、同じベンチャー企業でもカルチャーはさまざまです。ベンチャー企業1社に合わなかったからといってすべてのベンチャー企業に合わないわけではありません。また、熟慮した上での戦略的撤退は失敗ではありません(数カ月という短期間で何度も転職するのは考えものではありますが)。自分を守るためにもご検討くださいね。

ベンチャー企業転職前に準備すること

ミスマッチを防ぐために、転職前に、自身のスキルや経験を見直し、ベンチャー企業で求められる能力に合わせて準備しておくことが重要です。企業のビジョンやカルチャーについても事前に理解しておきましょう。

  • 市場や業界の研究:ベンチャー企業が活動している市場や業界の動向を理解する。
  • 企業文化の理解:ベンチャー企業の文化や働き方、価値観を研究する。
  • スキルセットの見直し:ベンチャー企業で求められるスキルや知識を確認し、必要に応じてスキルアップする。
  • ネットワーキング:業界関係者やベンチャー企業の従業員とのネットワークを構築する。
  • 柔軟な思考法の養成:変化に迅速に対応し、新しいアイデアを受け入れるための思考法を身につける。
  • リスク管理の準備:ベンチャー企業特有のリスクを理解し、それに対処する準備をする。
  • 財務的な準備:ベンチャー企業には安定性が欠けることがあるため、財務的な安全策を考慮する。

まとめ

大手企業からベンチャー企業への転職によって、新たな挑戦と成長の機会が生まれます。しかし、成功するためには、両者の違いを理解し、自身を適応させる柔軟性が求められます。せっかくの機会を台なしにしないため、準備や心構えを進めておきましょう。

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